米国国勢調査局が大規模に最新化
デジタル化によって最も重要なタイミングで大きな成果を収めました。その方法をご紹介します。
「アジャイルなテクノロジーを導入することで、予測不能な変化にも対応でき、必要に応じて迅速に方向転換できるようになりました」
大規模なデータ収集と処理の簡素化
2020年に行われた10年に一度の国勢調査では、米国内のすべての世帯からデータを収集するためにこれまでは紙ベースだったプロセスを自動化・デジタル化するという、大きな変革を遂げました。
Pegaの導入により、米国国勢調査局はECaSE(エンタープライズ国勢調査および各種調査イネーブリング)プロジェクトを立ち上げ、大規模な変革を行いました。ECaSEプロジェクトでは、すべての国勢調査とアンケート調査の複雑性を解消して省力化するために、データの収集と処理を共有する統合エンタープライズソリューションが構築されました。そして最初に重点が置かれたのが2020年国勢調査でした。
「2020年の現場スタッフの生産性は、2010年国勢調査時のほぼ2倍になりました」
統合CRMシステムを利用して認知度を向上
米国国勢調査局のパートナープログラムには、国勢調査に対する認知度と参加率の向上を目的とした2つのプログラム、CPEP(地域パートナーシップ連携プログラム)とNPP(国勢調査全国パートナーシッププログラム)が統合されています。
それまで、パートナー管理とコミュニケーションのプロセスは主に手作業で煩雑であったため、40万人のパートナーを現場に抱え、課題となっていました。国勢調査局は2020年の国勢調査を前に、デジタルツールやその他のリソースを活用してパートナーとコミュニケーションをより効率的かつ効果的に行う絶好の機会であると考えました。
新しい顧客関係管理(CRM)システムを導入することで、同局は、調査への認知度と参加率を高めるためのアラート、リマインダー、行動喚起を自動で送信できるようになりました。
3,000人以上の米国国勢調査局の職員/ユーザーをサポート
40万を超えるパートナー組織とのコミュニケーションを自動化
2020年国勢調査の啓発のための46万超のイベントと60万超の取り組みの連携が可能に
インサイトを利用してアプローチしづらい対象者に積極的に関与
2020年の国勢調査では、ECaSEシステムが極めて重要な役割を果たし、すばらしい結果となりました。CRMからほぼリアルタイムで得られるデータのおかげで、同局は、回答が遅れている地域を迅速に特定し、テクノロジーに精通した若者やモバイルミレニアル世代など、それまでは調査するのが困難だった国民にも接触できるようになりました。
CRMを使うことで、データ収集プログラムとパートナープログラム間のギャップもシームレスに埋めることができました。回答が遅れている地域があれば、この新しいCRMを利用してその地域のパートナーをすぐに特定し、連絡を取り、その地域での啓発活動に必要なリソースを提供できるようになったのです。
「Pegaがなければ、2020年の国勢調査で達成できたほど多くの人々にアプローチすることはできませんでした」
米国国勢調査局がこれまでに上げた成果
国勢調査への回答受付の開始から4か月後の2020年7月末には、すでに調査対象世帯の約63%から回答を得ており、その数は9,200万世帯以上に達しました。
9,200万世帯のうちの約8割がインターネットでの回答を選択しました。また、回答システムは一度もダウンしませんでした。2020年9月中旬、当初の回答期限(10月31日)まであと6週間となった時点で、国勢調査はすでに90%の回答率に達していました。コロナ禍によって数か月の遅れは生じたものの、現場に派遣された22万人の国勢調査員が4,200万件以上の調査に対し回答を得ました。
大部分をデジタル化した最初の国勢調査として、公衆衛生上の懸念、天候不順、その他の事情のさなかにあっても、その成功は圧倒的なものでした。
- モバイルプラットフォームを活用した新たなマルチチャネルシステム
- ダウンタイムのないシステム
- セルフ回答の80%をインターネット経由で回収
- 国勢調査員の生産性が48.57%向上
- 国勢調査は期限の6週間前までに90%が回答済み
- 1度の週末で40万件のユニークログインに対応